「富士フイルム」製のアマチュア向けの35カメラの最高級機だ。頑丈な感じのする「35 SE」と違って直線的でなかなかスマートな感じのする洗練されたカメラだ。実際手に取ってみると他のカメラより10m/mほど横長で大きく感じる。
レンズもホコリやカビなど沢山着いていたが全てキレイに取り去る事が出来、前玉や後玉にもキズも殆ど無い。
ヘリコイドグリスが流れ出してシャッターハウジングの外や中やメーター部まで流れ込んでいる、メーターには幸い異常は無かった。ヘリコイドも一般のカメラと違って筒状なので隙間が少ないため堅めのグリスを入れると重くて動かない、柔らかめのグリスでスライド性を滑らかにする。
このカメラのシャッターもシボリも特異な形状をしている、特にシャッター羽根は6枚ありその内の3枚も少しずつ形状が違う、組み上げるのに難儀する。
羽根の順番など間違えない様にして組み上げ、セルフタイマーやスローガバナーなどを取り付けハウジング、鏡胴を仕上げる。
このヘリコイドとメーターを含むオート機構を組み上げるのが一番ややこしい様に思う、とにかく気を遣う。
鏡胴を組み込みボディへ取り付ける、この時点でメーター、ヘリコイド、シャッター、その他の動作状態を確認しておく。
ファインダーやファインがーグラスもキレイに掃除、特にフロントグラスは分解しないと隅々までキレイにならない。
美しいカメラの仕上がりだ。残念ながら電池室のフタが無くなったいた、仕方なく他社のフタを少し加工して代用してみた、メーターは完動するのだが底面より0.5ミリほど浮き出ている、実用には問題なしだ。