このカメラを世界的に有名にしたのは、アメリカの有人ロケット「フレンドシップ7」に乗ったグレン中佐が宇宙空間から世界で初めて地球を撮影したときに使用されたカメラである。今ではもっとすごい写真を見る事が出来るが、その当時は外から見る地球の美しさに感動と驚きで満ちていた。1962年製だから約60年前のカメラだ。動かなくて汚くなっているのは当然だ。
露出計のセレンはどちらも正常だが結線はどちらも硬化していて新しい線と交換しておいた。メーターの機能は正常に動作する。
シャッターは「シチズン-ユニ」と云うライトバリュウーのみで動作するとてもユニークなシステムのカメラだ。フラッシュ撮影のときのみ手動操作することができ、シャッター速度が1/30で切れる。
ヘリコイドグリスは2台とも抜けていた、汚れをきれいに落とし固めのグリスを入れておいた。ガタツキなど見られずにスムーズに動作する。
それぞれのブロックを組み上げ完成に近ずく。レンズは2台とも60年前のものとは思えないほど傷なども少なくとても綺麗だ。
ファインダーのフレーム,大体外れているほうがおおい、ほこりや汚れも拭いても取れない、こびりついていると云うよりしみ込んでいると云った方が適当かと思うくらいだ。ファインダー、メーターを取り付け正常に動作していることを確認する。
シンプルな感じでスマートですっきりとしたデザインなんだが、プログラムシャッターだけにその音はスローシャッターを切っているようで、1/100とか1/200とかの「カシャ!」といった感じの日本人好みのシャッター音がしなかったのであまり人気がなかったように思う。しかし、後に「ハイチック7」といってその機能が、プログラムは勿論、シャッター優先、シボリ優先、ノーマル、などの多機能を持ったすごいカメラに発展していった。